お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



頭の上に乗っていた手をとって、ぎゅっと握って。


「碧は、1ヶ月以上帰らずにどこでなにしてたの?」


次の質問。


「俺は、とある仕事をしてました。その間は一条組の家で寝泊まりさせてもらってましたよ」


にこりと笑って答えてくれる彼。

……“とある仕事”ってなんだろう。
言わない、ということはわたしには言えないことなんだろうか。


「お嬢と離れている間は、お嬢に会いたくて会いたくて、それはもう毎日涙で枕を濡らしてました」


そんなことを言って、碧もわたしの手を強く握り返す。


なんて嘘を平気で言うんだ。
碧はそんなことでは泣かないだろうに。


「……とりあえず、碧が無事でよかった」
「あ、お嬢。話が変わって申しわけないんですが……今日の夜は公園で2人で花火でもしましょう。夕飯も外で食べましょうね。
今日は俺だけのお嬢なので、翔琉とももう話しちゃだめですよ」


“2人で”と強調する彼。