お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



「碧……っ!自由帳!自由帳あげる約束だったよね!それ今渡すよ!」


思い出したのは、碧の観察を記録した自由帳。
あれは、もう全ページ写真を撮ってある。

いつでも渡すことは可能なんだけど、いったん離れてもらって体勢を整えるために言った。


「そういえば、まだもらってませんでしたね」


碧はそれがよほど大切なものなのか、案外すぐに腕を解いてくれて。
動けるようになったわたしは自由帳を取りに行って、それを彼に渡した。

もちろん、またすぐに抱きしめられないように少しだけ距離をとっている。


「ありがとうございます。お嬢のいちご大福は、買ってきて冷蔵庫の中にあるので食べてくださいね」
「うん!」


パラパラと自由帳を見る彼。


その間に、わたしはどうやって碧を意識させようか必死に考える。


そういえば……。
前に凛ちゃんに聞いた、押して押して押しまくる方法の中に、“押し倒す”があった気が……。


わ、わたにはレベルが高いけど……そんなことも言ってられない。
ドキドキさせなきゃ、一方的にドキドキさせられる……。


やらなきゃやられる!!
片想いはもうやだ!!