お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



「じゃあお嬢、さっそく抱きしめさせてください」


耳に届くのとほぼ同時、わたしは彼の腕の中へとおさまった。


背中にまわされた手。
碧の匂い、体温がわたしを包む。

腕に力を入れられて、さらに彼の胸へと顔を押しつけるかたちとなる。


……な、な、なに!?
なんですか!この状況は!


「あ、あ、あ、あお……碧っ」


すっごく噛んでしまったけど彼の名前を呼ぶ。
びっくりしすぎて上手く話せない。


「お嬢がたりないんです。1ヶ月以上お嬢と離れていて、俺の心はお嬢不足で限界を迎えました。だから、今日は1日補給させてください」


耳元で聞こえてくる声。


なんだ……わたし不足って!
……嬉しい、けど。


ドキドキがとまらない。
これじゃまた、一方的にドキドキさせられるだけになっちゃう……!

永遠に片想いなんていやだし、碧にはもうそろそろ本気でわたしを意識してもらいたいのに……!


どうすればこの状況を少しでも変えることができるのか、頭をフル回転。
そしてすぐに思い出したこと。