お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



……なんでそんなこと聞くんだろう。
わたしは、あの会合の日から碧と離れて……碧のことを忘れた日なんて1日もないのに。


碧にラインしても、電話しても、返ってこなかったから……毎日心配だったのに。


「……碧のこと、忘れるわけないじゃん」
「お嬢は俺と1ヶ月以上離れても寂しくなさそうです。もし1年離れたら……俺のことなんて簡単に忘れること間違いなし、ですよ」


信じてもらえず、適当なことを言われる。


……なんでそうなるの。
なんで、そんなこと言うの。


「忘れるわけないって言ってるじゃん!!わたしは毎日碧のことばっかり考えて、心配して……。なんの連絡もないし、碧がこのまま帰ってこなかったらどうしよう、ってずっと不安でいっぱいだったんだからっ!!」


大きく息を吸って、それをすべ吐き出すように返した。







「……すみません、俺から連絡できなかったのはスマホが壊れてしまったからで……。
あの……毎日、ですか?ちゃんと毎日俺のことばっかり考えてましたか?」


今度は、確認するかのように聞いてくる。


連絡できなかった理由はわかった、それはわかったけど……。
もう、なんなんだ……!


「毎日!毎日、碧のことで頭いっぱいだったもん!」


そう返せば、「……そうですか」と碧は言って。
なんだか少し表情が和らいだ。