「おま──っ」


再び肩をつかまれ、引き離されそうになる。
が、わたしは彼の首に音をまわして、3回目のキス。


必死にしがみついて、離れない。
離してあげない。


……しっかり、唇に伝わってくる感触。
碧の、唇の感触。


角度を変えて重ねて、離れて。
また重ね合わせて。


そんなことを数秒繰り返していれば、碧はわたしの両肩を強い力で押して、強引に体を引き離した。




「茉白!!」
「好きだもん。ちゃんと……碧が好きだもん」


ぽつりとつぶやくように声を出す。
じわっと目の奥が熱くなる。


それと同時、わたしの肩をつかむ彼の力が弱くなるのがわかった。



……ひどい頭痛。
寒気も消えない。


……やばい。
……熱が上がってる予感しかしないよ。


……もう、寝たい。



彼は驚いた表情をしたまま黙り込んでしまって。
わたしは、彼の手を払って布団の中へと潜った。




「おまえ、それはどういう……」


耳に届く声。
だけど、わたしはその声に答える力がなくなってしまい……。


すぐにやってくる眠さに抗わず、意識を手放したのだった。