お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



……なんか、バカにされてる?


「信じてるほうがきっと願いは叶うもん」
『茉白ちゃんはやっぱり可愛いね──あっ』


バシャっ、となにかこぼすような音が聞こえきて。
なにかあったんだろう。


「どうしたの?」
『水こぼした』


なんだ。
水をこぼした音だったのか。


「わたしのことバカにするからバチが当たったんだよ」
『バカにしてないよ。ただそういう俗信信じるの可愛いなって思っただけだって』


「バカにしてる!もっとバチが当たっても知らないよ!」
『それはやだなぁ。茉白ちゃんが信じてるなら、俺もそれ信じるよ』


「じゃあ願い事考えよう!」
『……願い事かぁ』


わたしはどんなことを願おうか。
うーん、と考えて……真っ先に思いついた願いは。


碧と早く会えますように……。


まだ帰ってこないから、早く会いたい。
願い事をすれば早く会えるかな……。


『あっ!』


考えていれば、大きな声を出す彼。