お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



「ほ、本当に大丈夫だよ!」


わたしのそんな声も彼女には届かず……。
ありがたく受け取ることにした。


「茉白ちゃんさぁ~」


凛ちゃんの後ろ姿を見送れば、健くんに話しかけられて。
目を合わせれば、なぜかじっと見られた。


「な、なに?」
「最近元気?」


なにを言われるのかと思えば、またそんな質問。
学校にいる時も、何回か同じことを聞かれた。


そんなになにか暗い顔をしていたのかな……ぼうっとしないようにしないと。


「も、もちろん!元気だよ!」


心配させないように、にこりと笑って見せる。
が、健くんは。


「なんかあったの?ほんとにずっと元気ないよ?」


わたしの目を見て、なんだか心配そうにする。


「ううん、本当になにも──」
「あそこにいるの、茉白ちゃんのお付きの人だよね」


わたしの声を遮って、健くんが指をさした席。
そこに座っているのは──翔琉さん。


翔琉さんは、わたしに万が一のことがないようにと護衛でこっそりついてきてくれた。
目立つ金髪は帽子をかぶって隠して、ここから1番離れた席に座っていたのに……気づくなんてすごい。