お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



そしてそのすぐあと。
1番先頭にいたお父さんが足をとめて。


まわりの黒服の人たちが一斉に深く頭を下げた。
碧も翔琉さんも、それから如月組の組員の人たちも……みんなが頭を下げていて、頭を下げていないのは和服姿の2人とわたしのみ。


その2人のうち1人はわたしのお父さんで、もう1人はきっと……というか絶対、如月組の組長さん。


わたしも急いで頭を下げた。





「そっちは元気にしてたか?」


耳に届くお父さんの声。
その質問に、「あぁ」と短い返事が返ってくる。


「ここで話すのもなんだしな、積もる話は中で話そうか」


お父さんはそう言ったあとに、「ほら、おまえらも顔を上げろ」と言って。
今度は一斉に、みんなが顔を上げる。


わたしも顔を上げて、前を見た。


1番最初に目に入ったのは、グレーの和服姿の如月組の組長さん。

強面で、溢れ出る威圧感。



すぐに目を逸らそうとすれば、こちらの視線に気づかれたのか……ばちっと合ってしまう視線。




目が合えば全身が凍ったかのように硬直し、動けなくなる。