お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



力強い手。
碧の胸に顔を埋めるかたちとなって、息をすれば碧の匂いが強く鼻腔に届く。


「……っ」


な、なに!?
急に……っ!!


この間のことといい、今といい、碧にこんなことをされると……本当に、わたしの心臓が爆発する。

いや、もう本当の本当にやばい……っ!


「お嬢はいつでもいい匂いがして、柔らかいですね」


さらに強く抱きしめられて、少し苦しい。
……でも、嫌じゃない。


温かい体温に心地よさを感じて、わたしは一切抵抗せずに彼の腕の中で大人しくしていた。


そうしていれば。






「そういえば、お嬢。今日は土曜日ですよ。なんで制服着てるんですか?」


抱きしめられながら、碧に聞かれる。


「あ、えと……会合に行くのは制服が1番浮かないと思って」


そう返せば、彼はわたしの両肩をつかんでぐいっと引き離した。


「一緒に行くんですか!?」


驚いた表情の彼。


これは……知らなかった顔。
てっきり、わたしが会合に一緒に行くのなんて碧も知っているものかと……。