ここは、あまり広くもないひとけがない道。
前方にも、後方にも男性がいて……逃げる場所も隠れる場所もない。
……囲まれてる。
ど、どうしよう!?
「お嬢、すみません。また怖いところをお見せすることになるので目を瞑っていてください。
すぐ終わらせますので」
碧は健くんを離すとわたしのところまで来て、ぽんっと頭の上に大きな手をおいた。
碧はなにやら余裕そう。
確かに、碧は強い。
入学式の日、1人で3人を相手にしたのをこの目で見たから。
でも、こんなに多い人数、囲まれた状況では……わたしの心配は消えない。
「あの女が鷹樹茉白だ!」
「女を狙え!“咲黒”の女さえ手に入れば終わりだ!」
わたしを指さしてきたリーゼントの男性と、くせ毛の男性。
その声を聞いた碧は、ぱっとその2人を見るとすごい速さで走っていき。
リーゼントの男性に、まさかの──……飛び蹴り。
鈍い音が聞こえるのと同時に、地面へと倒れる。
碧はすぐに体勢を整えると、くせ毛の男性を脇腹に拳を入れて。
……くせ毛の男性も、地面へと倒れる。
あまりにも、一瞬の出来事。
急なことで男性2人は防御に遅れ、なにもできずに終わった。



