碧もヘルメットをして前に乗ると、エンジンをかけた。
「しっかりつかまっててくださいね」
……バイクって、ちゃんとつかまってないと振り落とされそう。
碧の背中にこれでもかというくらい、力強く抱きついてつかまる。
こうしてみてよくわかったのは、碧は筋肉がすごいということ。
体をよく鍛えてるんだろう。
おちつけ、おちつけ。
碧と密着している今、ドキドキしないというのは無理な話で。
暴れ出す心臓を落ち着けるように、何度も自分に言い聞かせた。
だけど、出発前に。
「お嬢、そんなにくっついてくれるのはうれしいですけど、それはちょっと苦しいです」
……と、言われてしまい。
慌てて力を緩めた。
「ご、ごめん」
「いえ、大丈夫です。では今度こそ行きますよ。怖かったら言ってください」
「うん」
それからすぐに走り出すバイク。
あまり強く抱きしめすぎないようつかまって、30分ほどで街に到着。



