「もう!次は左のポケット見せて!」
お財布とタバコを碧に返して、次は彼の左ポケットを見ようとした、が。
パシッとつかんでとめられた。
また、見られたくないものでもあるのだろうか。
……気になる。
今度はなにがあるっていうんだ。
「碧、手、離して!」
「お嬢、先に言っておくとこっちのポケットには拳銃が入ってます。危ないので触らないでください」
つかまれた手はすぐに離されると、碧は自分のパーカーをちらりとめくる。
そして、見えたのは……──拳銃。
「持ち物もちゃんとメモする」
わたしは自由帳にしっかりと碧の持ち物をメモ。
それから、自由帳とシャーペンをショルダーバッグの中へとしまった。
「お嬢、最初はどこに行きます?この間本屋行きたいって言ってましたよね?本屋にします?」
「本屋さんの前に、服見たい!夏服がほしいの!」
「じゃあ先に服屋に行きましょうか」
ヘルメットを頭にかぶせられて、ひょいっと抱きかかえられて。
わたしは、バイクのうしろへと乗せてもらう。
いつも出かける時は歩きか組員の車のどっちか。
人生ではじめてのバイクに、なんだかドキドキする。



