箱の中のタバコは数本減っていて、あいたところにちゃんとライターまで入ってる。
鷹樹組の組員でもタバコを吸っている人は多い、けど。
ヤクザに常識なんてものは通用しない、けど!
「吸ってたの!?」
「……たまーに、ですよ」
聞いてみれば、まさかの答え。
たまにって!?
いつから吸ってたの!?
タバコを吸えば、だいたい匂いでわかるものだけど、碧はいつもいい匂いしかしない。
家の中で吸っているのを見たことも、彼の部屋でタバコの箱を見たこともない。
今まで、完璧に隠されていたんだ。
タバコなんて吸ってもいいことなんてないのに。
臭いし、寿命を縮めるだけだし……。
「タバコって体に悪いんだよ!?碧は未成年なんだし、吸っちゃだめ!」
「……お嬢がそう言うなら、もう吸いません」
碧と向き合えば、彼は意外とすんなりと受け入れてくれる。
……本当だろうか。
「約束だからね!?」
「はい、約束です」
「絶対、ぜーったい、約束守ってね!?」
「もし約束を破ったら、おしりペンペンでもなんでもしてください」
にこりと笑う碧。
お、おしりペンペンって……!
さ、さすがにそれは……!



