「俺もそう思います。お嬢はなに委員なんですか?」
「わたしは凛ちゃんと一緒に保健委員にしたの。碧は、なんで図書委員選んだの?」


「楽そうな委員に入りたかったんで選びました。楽じゃなかったみたいですけど……」
「選び方は碧らしいね」


「仕事サボってやろうとも思ったんですが、図書委員はクラスで2人だけで。各クラスごとに1週間交代で仕事が回ってくるので、俺がサボったら仕事を1人でしなきゃいけなくなっちゃうんです。
俺はそこまでひどい人間じゃないので、食べ終わったら図書室行ってきますね」
「うん」


「あ、お嬢」


お弁当を食べ進めようとしたところで声をかけられて、手をとめる。


「俺がいなく寂しいですよね。寂しすぎて泣きそうだったら、図書室に来てください」


にこりと笑う碧。

寂しすぎて泣きそうって……いったいわたしを何歳だと思っているんだ。
もう立派な15歳の高校1年生なのに。


「行かないもん」


わたしはそう答えた、けれど──結局はお弁当を食べ終えてから碧と図書室に向かったのだった。