お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



いろいろ知らないことばかりで、とめられて。
そんなわたしを見た碧は「アホですね、お嬢は」なんて笑ってくる。


碧は、わたしに意地悪をするためかわざわざ台所に椅子を持ってきて見学しているところ。


全く集中できない。
無視している最中だから『あっち行ってて』とも言えないし……このままでいるしかない。
我慢だ、我慢。


「お嬢、卵割ってもらってもいいですか?」
「うん!」


冷蔵庫を開けて、卵をひとつ取り出して。
ボールに卵を割る、が……小さな殻がいくつか入ってしまった。


卵1つも綺麗に割れないなんて……。


やっぱり恥ずかしいくらいに、自分に全く料理スキルがない。
いつも組員のだれかがご飯やおやつを作ってくれて、頼りっぱなしになっているから。


「料理なんて慣れです。何回もやれば上手くなりますよ」


翔琉さんはそう言ってくれて。
その後も優しく丁寧に指導してくれて、クッキーの完成。