お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



碧は、わたしが健くんとの間にあった本当のことを言わないからまだ怒っている。
だからこうしてわたしに意地悪をして、彼はわたしから謝らせて、健くんに言われたことを全部聞こうとしているんだ。


こんなことまでされても、絶対に負けないんだから……!


そう思っても、まだまだ彼の嫌がらせは続く。


ある日、おやつに大好きないちご大福を食べようとした時のこと。


「お嬢、確かいちご嫌いでしたよね。俺が食べてあげます」


一口で自分の分のいちご大福を食べた碧は、わたしのいちご大福へと手を伸ばし……。
大福の上にのっていた大きないちごをひょいっととると、それを自分の口へと運んだ。


「な、な、なんてことするの!?」


あまりの怒りに立ち上がると、彼は口角を上げて。


「あれ?お嬢、俺を無視するんじゃなかったんですか?」

なんて言ってくる。


『もういい!碧が健くんとケンカしない、って約束してくれるまで、碧のこと無視するから!バカっ!』

今朝、確かにそう言った。


まだ、碧は約束してくれてないから無視は続行しなくちゃいけない……。

絶対、絶対、負けないんだからっ!!