お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



「いい、けど……?」


別に、それくらいならいいんだけれど。縛るのなんて数分で終わるから。
でも、なんでポニーテール?


「やったー!俺、女のコの髪型の中で1番ポニーテールが好きだから嬉しいよ。茉白ちゃんありがと、愛してるー」


喜ぶ健くん。

そして、急に顔を近づけてきて……──頬に触れた、柔らかい感触。






……頬に、キスをされた。
しかも、今回が2回目。


「っ!?」


急な出来事にびっくり。
熱くなっていく顔。

ドキドキと心臓が大きく鳴って、頬をおさえた、その直後。


──バンッ!!

とボールがぶつかる大きな音が体育館に響いた。





その音がしたほう──男子のコートへと目を向けると、鼻をおさえる碧の姿。

彼のその手のすき間から、ぽたぽたとこぼれ落ちる赤い血。


鼻血!?
な、なにが起きて!?


「小鳥遊くん!?」
「大丈夫!?」
「今、ガチで顔にボールくらったよね!?」
「ティッシュ、だれかティッシュを小鳥遊くんに!!」


ざわつく女の子たち。


どうやら、顔にボールがぶつかって……こうなったようだ。