「よっと」
健くんはステージの上に乗って、さっきまで凛ちゃんがいたところに座る。
そういえば、少し忘れかけていたけど……健くんはなにか企んでいるかもしれないんだよね。
友だちになろう、なんて急に言うんだもん。なにかあるにちがいない。
少し横にずれて距離をとれば、その距離をつめてくる健くん。
ピタリと肩が密着して、わたしは慌てて後ろに下がった。
「な、なに?」
「茉白ちゃんが急に思い出したように逃げるから。朝は普通に話してたのにな~」
「……健くんって、本当はなに企んでるの?急に友だちになろうなんて言うの、やっぱり変だよ」
思ったことを聞いてみる。
「ほんと、なにも企んでないって。昨日も言ったじゃん。俺はただ茉白ちゃんと仲良くなりたいだけだってば」
あはは、と笑って答える健くん。
……だから、それが信じられないんだってば。
じっと健くんを見つめれば、彼は再び口を開いた。
「茉白ちゃんの家がどうのっていうのもやっぱりおもしろいし気になるけどさ~。今は鷹樹茉白っていう1人の人間がすごく気になるんだよね。
可愛いし、世間知らずそうでおもしろそうだし!一緒にいたら楽しそうだな~って思ったから、友だちになりたかったの」



