お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



で、でも、押し倒したら……碧は、少しくらいわたしのことを意識してくれたりするのかな?


脳内でいろいろと考えるが、想像するだけでもやばい。
ドキドキして心臓が壊れそう。





「なに話してるのー?俺も仲間にいれてー」


1人で想像してドキドキしていれば、聞こえてきた声。
ぱっと前を見れば、目の前にいたのは健くん。


男子と女子、ネットカーテンで仕切ってそれぞれわかれているのに……なにこっち側に入ってきているんだ。
それも堂々と。


先生はいるけど、優しい先生だから「早く戻りなさいね」と言うだけ。
特に怒ったりはしない。


「健一郎、実は女だったの?」


凛ちゃんがふざけて聞くと、「女のコの健子ちゃんでーす」とピースサインをする健くん。
そのすぐあとに。


「凛!!」


聞こえてきた大きな声。
凛ちゃんを呼んだのは、コートに立つ2組の女の子。

なにがあったのか、試合はいつの間にか中断している様子。


「なーに?」


手を振って、ステージの上から返事。
2組の子とも知り合いみたいだ。


凛ちゃんは明るくて可愛いから、クラスでも人気者。
だから、他のクラスにもたくさん友だちがいるんだろうな。