お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



そう思った時に、ちょうど碧がサーブをする番がまわってきた。
たくさんの声援の中︎、彼はボールを上に投げて。


高くジャンプをしてそのボールを強く叩くと、相手側のコートへとすごい速さで飛んでいった。
大きな音を立てて、だれも取れずに落ちたボール。


……す、すごい。
すごすぎる。
まるで殺人サーブだ。


「小鳥遊くんかっこいい!!」
「バレー部なみに上手!!」
「これは惚れるって!!」


今のを見た女の子たちの興奮する声が耳に届いて、思わずそっちに目を向けたわたし。


こ、これはもっとたくさんライバルができてしまうのでは……!?


碧を好きな女の子がさらに増えれば、彼に接近する女の子がたくさん出てくるわけで!
碧がだれかを好きになってしまうこともあるかも……なんて、また嫌なことを考えてしまう。


焦る心。


「ね、ねぇ、凛ちゃん」


わたしは凛ちゃんをちらりと見た。


「なぁに?」
「押して押して押しまくるって……具体的にはなにをすればいいんだろう?」


考えてもわからなかったことを聞いてみる。