お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。






4時間目、体育の授業。
体育だから髪が邪魔にならないように、お団子ヘアにしていた……んだけど。


体育館へと到着して、体育館シューズへと履き替えていた時に。
急に、まとめていたお団子をぐいっと引っ張られた。


「頭にうんこついてますよ」


なにかと思えば、上から降ってきた声。
それは碧の声だった。


ひと言だけいって、ふっと笑って去っていく。


……なんなんだ。
失礼すぎやしないか……っ!


以前も、碧を怒らせたことが何回かある。

夜中こっそり家を抜け出してコンビニに行って怒られたり、泳げないのにビード版もなにも持たずに深いプールに飛び込んで溺れて怒られたり……熱が出たのに学校にこっそり行って怒られたり。


怒っている時の碧はちっとも優しくなかった。
100パーセント意地悪な碧。

……もう、碧なんて知らない!


「碧のバカっ」


本当は碧に直接、大きな声で言ってやりたいがその気持ちはおさえて小さくつぶやいた。