あれから3ヶ月が過ぎた――。 『お嬢様、参りましょう』 執事の七瀬(ななせ)にそう言われ、病院のリハビリ室へと一緒に歩く。 ここは、藍瀬大学病院の耳鼻咽喉科にある言語聴覚訓練室だ。 「こんにちわ、美央さん」 あの日、遊園地から家に帰宅してお父様の部屋に直行した。 【声を出す訓練がしたいの。哉斗くんと話がしたい】 「哉斗くんは手話やってくれるんだろう? ならそのままで」 【声を出して、哉斗くんと話がしたい。それに学校に行きたい】