私はすぐに誰も見ない本棚に手紙を隠す。そして私は部屋の鍵を閉めた。今は13時だ、夕方までに心の整理をつけよう。

 優しくしてくれた哉斗くんへの、少しでも恩返ししたいから……。



***

 私は16時に部屋の鍵を解除し、机に頭を伏せた。メモ帳に書いた文字を何度も見つめる。


【婚約破棄しましょう】


 自分で決めて自分で書いたのに胸が痛む。
 彼といるとドキドキはしたけど、とても楽しくて毎日来てくれて嬉しかったなぁ。

 ……これで、楽しい時間は終わりなんだなと思うと寂しくなる。