――え?

【哉斗を返して】

【私たちは愛し合っていた】


 里村ももさん、は……哉斗くんの恋人。私と政略結婚が決まって別れさせられたの?

 私のせい、で? 


 ――ドクンッ


 心臓が嫌な音を立てる。どうしよう、私……哉斗くんの幸せ奪ったんだ……っ

 哉斗くんは無理に、私といたのかな。

 負の感情ばかりがぐるぐると回っていく。私にも優しいんだから、きっとこの人にも優しかったんだろうなぁ……。