私は先生が淹れてくれた紅茶を飲みながら、クッキーを頬張る。サクサクでとても美味しい。 『そうだ! 旦那様から聞いたのだけど、美央さん婚約したんですって? おめでとうございます』 『先生……でも、私今まで同い年くらいの子と話したことなかったでしょう? だからうまく話せなくて。どうすればいいのか分からないんです』 『そうですねぇ……あ、噂をすれば彼、来ましたよ』 扉を背にしていたから気づかなかった……けれど、後ろを見ると哉斗くんが立っていた。