美央ちゃんに近づいて座ると両肩を優しくふれた。


『どうして、こんなとこにいたの?』

『……早く、哉斗くんに会いたくて。でも会場に行く勇気はなくてここで待ってたの』


 何この子。可愛すぎか。
 上目遣いに俺が選んだドレスが可愛くて、天使かと思う。さっきまでの出来事すら、どうでも良くなるくらいだ。

 もう、天使。前世は天使か女神だったんじゃないのか……?


『そっか。でも、ひとりは危ない。部屋に行こう』


 俺は彼女と部屋に向かおうとしたが、ジャケットを掴まれて引き止められた。


『どうしたの?』

『せっかくだし、ここで話をしたい。だめ?』