あー……本当に。めんどくさい。早くここから出たいんだけど。


「えぇ!? そうなの?」

「……もういいか?」


 早く美央ちゃんに会いたい。
 こんなとこでこんな奴らと話す時間が勿体ないんだけど。


「哉斗、もう愛しの婚約者ちゃんに会いに行けば?」


 俺がイライラしていたのが分かったのか海斗はそう言って逃がしてくれた。海斗にこの2人の相手を任せて俺は別館を出た。

 別館を出て屋敷の本館に入ると玄関に美央ちゃんが座っている。顔を伏せているけど、ドレスで彼女だと分かった。