哉斗くんからのプレゼントなんだ……嬉しいな。 「相変わらず、素敵な方ですね」 私には、もったいないくらい素敵な人だよね。 こんな私に毎日会いに来てくれるのはきっと、お父様たちが決めた“婚約者”だから。 優しさも、それが理由だと思う。 「私、会場の手伝いに行きますけど何か有ればお呼びください」 私が頷くと、メイドさんは部屋から出て行ってしまう。部屋の中は静寂した空間で、私は一冊本を取り出すとそれを開いた。