よく晴れた日曜日。

 家の別館にはたくさんの人が出入りしていていつもはいるはずのメイドさんもそのお手伝いに行っていて側にいてくれる人も今はいない。
 なぜかというと、夜に開かれるパーティーがあるから準備で大変だからだ。部屋の窓から別館の様子が見えるけど忙しそうに出たり入ったりして他人事のように大変そうだなぁと見ていると後ろから肩をトントンと軽く叩かれ後ろを振り向く。するとそこには私服姿の哉斗くんがいた。


『おはよう、美央ちゃん』

『あっ! 哉斗くんおはよう』


 白のパーカーにジーパン姿の彼は、制服とは違ってかっこいい。かっこいいのはいつもだけど……

 哉斗くんとは、あれ以来屋敷の敷地内なら外で過ごせるようになって彼といれば目線とかも気にならなくもなった。一歩前進だ。

 これも哉斗くんのおかげだ。