自分の、気持ち……もしかして哉斗くんのこと、言ってるのかな。でも、哉斗くんは好きな子がいるんだから正直になんて言ったら迷惑かける。
『美央ちゃん、ご飯食べましょう! スープが冷めちゃうわ!』
そういえば、お父様が見えないけどどこにいるのかしら……今まで一緒にご飯食べなかった日なんてなかったのに。
『悟さん、お仕事なの。もうすぐ帰ってくるわ』
そう言ったお母さんが椅子に座ると、リビングのドアの方を見てパァーッと笑顔になる。
「おかえりなさい!」
お母さんは立ち上がると、お父様に抱きついた。この2人は政略結婚だけど本当にラブラブだ。
お父様もお母さんをぎゅっと抱きしめ返しているし、朝からアツアツだなぁ。
「……終わったよ」
お父様は少しだけ疲れている顔をしている。だけど、清々しいというような表情をしていた。



