「ざんねんだが、会ったことない。娘の誕生日パーティーだけど、パーティーの場に現れたこと無いんだ」

「え?」

「だから、幻の令嬢だって言われてるんだよ。誰も会ったことないからさ……だから、哉斗はいいよなぁ」


 そうか、ならいいか。
 彼女と前から会っていたなんてことが有れば嫉妬で狂いそうだ。


「ニヤニヤすんな! 本当分かりやすい!」

「まぁ、好きだからな」

「うわぁ、惚気かよ〜そういえば、もものこと、どうするんだよ。あれならずっとベッタリじゃないの?」