【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。




『美央さま? 大丈夫ですか?』

 私が寝ていたからか、心配そうな顔をした執事さんが夕食を持ってやって来た。私は、起き上がると『大丈夫』と手話で言う。
 すると執事さんは、ほっとした表情を見せた。

【倉橋様が19時ごろいらっしゃるそうです。お電話でラインの返信がないからと心配されていました】

 そんなメモを渡されて、もしこれで会わなかったら変に思われちゃう。寝てしまったということにしておこう。

【電源を切っちゃってました。ごめんなさい。いらっしゃったら、お通しください】

 ホワイトボードにそう書くと、執事さんは『分かりました』とゆっくり言うと出て行った。