「女の子に可愛いってどうやってやるの?」


 哉斗くんは、ゆっくりと口を動かして言った。女の子に、って誰かに言いたい人いるのかな……そんなことを考えながら、小指を立てて反対の手で円をかくように撫でてみせる。


「こう?」


 私のを見よう見真似でやってくれた手話は完璧で、きっと言いたい相手は喜ぶんだろうなぁ。


「美央ちゃんは」


 哉斗くんは私を指さした。


「『可愛い』」