「もしよければ、遊びに行きませんか?」

「君みたいな子、嫌いなんだよね。迷惑。香水臭いし、一緒に行動とかありえないから」


 俺はそう、バッサリ切ったはず……だが。

 翌日からストーカーのように毎回毎回来るようになった。俺が香水臭いって言ったら香水をやめてメイクも薄くなっていて、本格的に面倒なやつだと思い相手にしなかった。


「哉斗、また来てるよ。里村もも」

「……うざい」

「あはは、可哀想に。だけどお前に婚約者いたら変わったんじゃね? 常識人なら、婚約者がいたらくっついてこないだろ」


 確かにそれは言えているかもしれない。

 だけどこればかりは仕方ない。婚約者は親父が決めることだから俺が婚約者が欲しいとか言ったところで用意はしてくれないだろう。


「まぁ、あの子が飽きるまでの辛抱じゃないかな」

「そうだな……早く飽きて欲しいけどな」


 そう海斗に返すと迎えに来てくれた車に乗り込み帰った。帰宅すると出迎えしてくれた執事に「哉斗坊ちゃん、旦那様がお呼びです」と言われてしまい、部屋には行かず父のいる書斎に向かった。