哉斗くんにテーブルの近くにあるソファに私を下ろすと『食べさせてあげる』と微笑みながら言うとパンケーキが入っているらしい箱を開けた。

 箱から出て来たのは見てもわかるようにふわふわなパンケーキだった。高さのあるスフレパンケーキにクリームがふわって感じで乗っていてその周りにはいちごが飾られている。


『美味しそう』

『でしょ? 美央好きだと思って買って来たんだ。ほらお口に入れてあげる』


 哉斗くんはパンケーキを一口サイズに切ると私の口にそれを入れた。口の中はふわふわとほんのりと甘さが溶けちゃいそう。一瞬で溶けて無くなってしまう。


『美味しい! 哉斗くんも食べてみて』


 私は興奮したように言ったけど、彼は頷いて笑った。その後に私の口元についているクリームを指で拭い取るとペロッと舐めた。


『うん、甘いけどとても美味しいね……ちょっと待ってて』


 哉斗くんは急に立ち上がるとスクールバックの隣にあるおしゃれな紙袋を持って隣にもう一度座った。