私と哉斗くんは、レストランの前から人気のないソファがある場所へ移動した。


『今日は、ごめん……美央の気持ち考えてなかった。本当にごめん』


 そう言って一度頭を下げると私を見た。
 多分、私の答えを待ってるんだ。でも、哉斗くん怒ってないのかな……?


『私こそ、ごめんなさい。一方的に怒って、逃げちゃって』

『……美央は悪くないよ』

『哉斗くん怒ってない……?』


 そう聞くと『怒るわけないだろ?』と私の頭を撫でた。


『ここでなら、いいだろ? ……俺、今、すごい抱きしめたい』


 私が頷くと、そっと触れるように抱きしめると背中を摩った。

 哉斗くんはすぐに離れると『行こう』と言い立ち上がり、手を繋いだ。