「まあ、夕食で顔合わせられるんだしそれまで話す内容考えておけよ。それに今、女子は入浴中だろ。早く来るんじゃね」


 同じテーブル席だし、と付け加えて言う海斗はまだ笑っていて眉を寄せる。


「……そうか」

「余裕ねーな、哉斗」


 そう言うと海斗は「おっ、もうすぐ来るって」とスマホの榎本とのメーセージ画面を俺に見せた。


「夕食、楽しみだなー」


 俺の気持ちも知らないで……こいつは。


「早く仲直りしてよ、俺だって沙知と一緒にいたいんだからさ」

「……努力する」


 俺がどう謝ろうかとかなんてて話をしようか考えていると、エレベーターが開いた。


「……何、あの格好……」


 榎本とともに現われた美央は、長い髪を結い上げていてうなじが出ているしパステルピンクのキャミソールのような上服にショートパンツだ。

 俺は、今まで考えていたことなんて全て忘れて彼女のとこへ歩き出した。


「……っ哉斗!?」


 海斗の声が聞こえていたが、一直線に彼女の前に行く。いつものように、周りがキャーキャー言っているがそんなの気にならない。


「倉橋くん、あの……」


 美央は驚いた顔をしているが気にせず、抱きしめた。