ホテルの控え室に入ればそこには、哉斗くんのご両親が待っていて哉斗くんのお母様が私の方に駆け寄ってきた。
「こんにちわ、美央さん。私、哉斗の母の『真実』です。よろしくね」
お母様の真実さんは、名前の部分だけ指文字をしてくれて少し驚いたけど優しく微笑んでくれて優しそうな人だった。それにお父様も初めて会った時は怖かった印象が強かったけど今話すとどこか哉斗くんにそっくりで優しくて安心した。
『話はその辺にして、今からの流れ確認しない?』
「あら、私たちに対してヤキモチかしら?」
「違う、から。ただ……なんでもない」
哉斗くんはお母様とお話ししているのにいつも私に話してくれるようにゆっくり言ったものだから私にも聞き取れてしまった。だから私は哉斗くんの肩をトントンと軽く叩く。
『どうしたの?』
『何が、違うの?』
『今の話、聞いてたの?』
マズイと言うかのように哉斗くんが動揺しているようだったけど、お父さんがこの流れを変えようとしたのかこの後のことを話し出したようで皆の意識がそれた。
それにホッとした哉斗くんは私にわかるように手話ではなしてくれたおかげで理解することができた。



