新幹線に乗り込むと一時間半ほどで目的地の駅に到着する。
『美央、寒くないかい?』
『大丈夫だよ。寒くないよ』
新幹線を降りるとそこから五分ほど歩いたところに初日の宿泊施設である駅前PrincessHotelに着いた。
ホテルのフロントは開放感があり、煌びやかだ。
「こんなとこに泊まるの? 嘘でしょ」
「そうだよ、沙知。ここにきたんだし、当然でしょ」
私のためにゆっくりと話してくれて会話の内容が分かる。沙知ちゃん、その気持ち分かる。すっごく!
だってホテルとか無縁すぎて綺麗な場所来たこと無いんだもん……
『美央、固まってるけど大丈夫? 初めてだから驚いた?』
『とても。すごい、別の世界みたいだよ』
哉斗くんは、何度もホテルを利用しているらしい。お父さんに連れられてパーティーとかで来るとか……さすがだ。
引きこもっていた自分とか世界が違いすぎるなぁ。



