海斗くんが立ち上がったので玄関まで見送ろうと私も立った。だけど、哉斗くんに手首を掴まれて離してくれない。


『美央ちゃん、大丈夫だよ。俺、ひとりで行けるから』


 海斗くんはそう手話で言うと、帰って行った。
 その後、哉斗くんの帰宅時間まで手は繋がれたままだった。

 でも、いつものようなドキドキはなくて……なんだか安心感を覚えた。