『美央ちゃんと恋人になりたい』 もう一度言った哉斗くんは私の手を握り、手のひらに二文字書く。くすぐったい。 私もちゃんと正直に素直な気持ちを伝えなきゃいけない、よね。 『私は、好きってよく分からない。だけど、哉斗くんは好き。家族に対する好きとは違うの……だから私も』 私は親指と人差し指を開いて喉に当てる。 『好きです』 その手を前に出し、つまむように指先をつけた。 私は、哉斗くんが好きだ……。