私は先生に『ありがとうございます』と話すと哉斗くんにペコっと頭を下げた。 メモを取り出して【こんにちは】と書いて見せた。 『こ・ん・に・ち・わ』 え、指文字……? 哉斗くんが、なんで指文字できるんだろう? 「君、どうして指文字を……?」 天野先生がゆっくりと私に見えるように哉斗くんに問いかけた。 「ネットで、調べました……美央ちゃんとお話したくて」 「へぇー! そうなんだ『良かったね、美央ちゃん』」 天野先生にいきなり振られ、私は頷くしかない。