「じゃあね木嶋さん」
「え、行っちゃうの?」
「いっちゃうの? って…予鈴鳴ったから席に戻るだけだけど」
いやいや、そうじゃん、それだけじゃん。
つい反射的にそう言ってしまったけれど、同じクラスだしホームルームがはじまるし、べつに何も寂しがるようなことじゃない。
綺春くんから話しかけてくれたことが嬉しかったからって浮かれすぎだ。
よくないぞ、すごく良くない。
「…そ、」
「放課後」
「え?」
「チョコ、見に来る?」
そうだよね引き止めてごめんね、って言おうとしたのに。
綺春くんからは思いがけない返事が返ってきて、わたしの思考は完全に停止した。



