チョコというのは、綺春くんが飼っているねこちゃんの名前。
ご両親が忙しいこともあり、チョコちゃんがいちばん近い家族だって、すこしまえに綺春くんが教えてくれた。
そんなチョコちゃん、かなり自由奔放らしく。綺春くんの弱点をたまたま知ってしまったあの夜も、チョコちゃんがいなくなったことがきっかけだったけれど、どうもよくいなくなるらしい。
気まぐれねこちゃん。
かわいいけれど、飼うにはちょっと大変そうだ。
「朝からたいへんだったね…」
「でもまあ、かわいいから許せる」
ふっと軽く笑みをこぼす綺春くん。
チョコちゃんはもちろんだけど、わたしからしたらチョコちゃんにぞっこんの綺春くんも同じくらい───いや、それ以上にかわいくてしょうがない。



