二色くんと夜のせい





「おれのこと名前で呼ぶの、家族と、椿と咲くらい。女子とかは…仲良くないからわかんないけど、わざわざ呼ばせる気はないかな。二色って、漢字めずらしいし仕方ないと思うけど、おれ、結構自分の名前気に入ってるんだよね」

「え、…っと」

「言ってる意味、わかる?」




首を傾けて、問われる。

さっきとは別に意味で泣いてしまいそう。



「おれ、木嶋さんにだめなんて言ってないよ」

「…っ、」

「トクベツ、そんなに欲しいなら木嶋さんにあげる?」



そんなこと言われたら、どんな瞬間もきみのことが大好きなわたしは、泣いちゃうに決まってる。

ぼろぼろと涙を零すわたしの目元を優しくぬぐっては、



「ふは。名前呼んでいいって言って泣く人はじめてみた」



って、二色くんは柔らかく笑っていた。