二色くんと夜のせい





人を好きになったこと、これが初めてだから全然勝手が分からない。

頭のなかはぐちゃぐちゃ。
怖くて二色くんの顔も見れない。



こんなんじゃ、二色くんに相手してもらえなくて当たり前───…



「木嶋さん、今なに考えてる?」

「っ」

「おれまだ何も言ってないから、勝手に脳内変換するのやめてね」



心の中を読まれた。

反射的にきゅっと唇を結ぶ。雑誌をぱたりと閉じた二色くんは、くしゃくしゃと髪を掻いて、それから落ち着いた声色で「木嶋さん」とわたしを呼んだ。