二色くんと夜のせい





「木嶋さん、結構ガード緩いよね」

「っ」

「例えばこれが椿でもそんな顔すんの?」



二色くんはわるい人だ。わたしの好意には答えてくれないくせに、思わせぶりなことばっかりするんだもん。


「に、しきくん」

「…うん?」

「………好きだよ」



好きな人に触れてもらうって、心臓がとれそうなくらいドキドキするんだよ。自分でもわかるくらい顔が火照って、頭がショートして。

それでわたしはいつも結局「好き」って言葉しか語彙が残らない。



「うん、知ってる」




一枚上手なのは、いつだって二色くんのほうだ。