幼馴染である三船先輩の弟となれば、昔から付き合いがあるのは当然のことで、おまけに咲くんは年下。
二色くんは一人っ子だって随分前に聞いたことがあるから、咲くんのことを可愛がるのも頷けた。
わたしはそんなふうに頭を撫でられたことがないからちょっとだけ羨ましいとすら思う。
「…綺春くん、その隣の人は?」
ふと、咲くんの視線がわたしに向けられた。警戒心丸出しの瞳で睨まれる。人見知りなのかもしれない。
ここはわたしも年上らしく気品のある挨拶を―――…
「俺の友達。ぶっ飛んでるけど、悪い人じゃないよ」
「……そうなんだ?」
「うん」
っていやいや二色くん、うん じゃないよ!
咲くんもそうなんだ じゃないし!
せめて上品な女性のイメージでいようと思ったのに、その計画は一瞬でパーになってしまった。
「木嶋恋那です……」と小さな声で自己紹介をすると、二色くんに笑われた。何笑ってるの二色くん。



