学校が近づいてくると、駅や町中の通学路とは違って必然と同じ制服を着た学生が増えてくるわけで。


クール王子の二色くんがわたしみたいなちんちくりん(自分で言うのはちょっとつらい!)と一緒に登校していたら周りの視線を浴びてしまうのも無理はない。


毎日一緒に登校していたら彼女に間違われたりとか……しちゃうかな? なんてお花がたくさん咲いた脳内で考えたりもできるけれど、そうじゃないから。

だから、彼女じゃないくせになんで一緒にいるの? って、そういいたげな視線がこんなにも刺さるのだと思う。



「二色くん、まだ木嶋さんに付きまとわれてるんだ……」



校門を抜けた時、すれ違い様にそう言われ、わたしは反射的に歩くスピードを落とした。


話したことはないけれど、顔だけは知っている同級生の女の子だった。

わたしが二色くんを好きでめげずに告白し続けていることはある程度学年に広まってしまっているから、時々冷たい声が聞こえちゃうこともある。