「ねむ」
二色くんの本日のおはよう一番乗りだーって一人でほわほわしていたら、ブレザーのポケットに手を突っ込んだまま二色くんがいつの間にかわたしの前を通りすぎていた。
エレベーターのボタンを押すと、この階で止まっていたようで、すぐに扉が開く。
「わっ、まってまって二色くん!わたしも乗るっ」
「さーん、にー…」
「うぎゃーっ!」
慌ててその背中を追って、扉が閉まる前に同じエレベーターに乗る。
「うぎゃーって」
二色くんがくくく…と肩を揺らして笑っている。
今日はすごくツイている日みたいだ。おはようだけじゃなくて、二色くんの笑った顔も一番乗り。
…っていうか、カウントダウンされて焦ったけど、実は二色くんが開けるボタンを押したまま待ってくれていたの、知ってるんだからね。
時々見せてくれるいじわるな優しさにきゅんとしちゃうから、今日も絶好調で二色くんに恋してる。