放課後。

二色くんは、わたしの姿を見るや否や嫌そうに眉を寄せ、わたしの発言にコンマで暴言を吐いた。


まあ、二色くんはツンデレ(当社比)なのでノーダメージだけど。




「一緒に帰ろう二色くん!」

「やだ無理」


「なんで!?家近いじゃん99%同じ通学路じゃん徒歩10秒に家があるって運命じゃん!?」

「そんな運命は別に要らない」


「駅前に新しいカフェできたんだって行こうよ二色くんあとちょっとレンタルショップで借りたい映画があってねよかったら今日うちで一緒に見ていかない?」


「一生家に着かなそう」

「つくよ!送り届けるよ!二色くんの家しってるし!」


「ストーカーじゃん。警察呼ばなくちゃ」

「だっ……、心臓の温度氷点下!」

「そうかも。じゃ、俺はひとりで帰るので」




「ひとりで」を強調されて、ぐぬ…と口を噤む。


二色は今日も一筋縄じゃいかないみたいだ。

目も合わせず靴を履き替え、昇降口を出ようとしている二色くんの背中を追いかける。